-
0
Patient Assessment
- 0.1 Patient demand
- 0.2 Overarching considerations
- 0.3 Local history
- 0.4 Anatomical location
- 0.5 General patient history
-
0.6
Risk assessment & special high risk categories
- 5.1 Risk assessment & special high risk categories
- 5.2 age
- 5.3 Compliance
- 5.4 Smoking
- 5.5 Drug abuse
- 5.6 Recreational drugs and alcohol abuse
- 5.7 Parafunctions
- 5.8 Diabetes
- 5.9 Osteoporosis
- 5.10 Coagulation disorders and anticoagulant therapy
- 5.11 Steroids
- 5.12 Bisphosphonates
- 5.13 BRONJ / ARONJ
- 5.14 Radiotherapy
- 5.15 Risk factors
-
1
Diagnostics
-
1.1
Clinical Assessment
- 0.1 Lip line
- 0.2 Mouth opening
- 0.3 Vertical dimension
- 0.4 Maxillo-mandibular relationship
- 0.5 TMD
- 0.6 Existing prosthesis
- 0.7 Muco-gingival junction
- 0.8 Hyposalivation and Xerostomia
- 1.2 Clinical findings
-
1.3
Clinical diagnostic assessments
- 2.1 Microbiology
- 2.2 Salivary output
-
1.4
Diagnostic imaging
- 3.1 Imaging overview
- 3.2 Intraoral radiographs
- 3.3 Panoramic
- 3.4 CBCT
- 3.5 CT
- 1.5 Diagnostic prosthodontic guides
-
1.1
Clinical Assessment
-
2
Treatment Options
- 2.1 Mucosally-supported
-
2.2
Implant-retained/supported, general
- 1.1 Prosthodontic options overview
- 1.2 Number of implants maxilla and mandible
- 1.3 Time to function
- 1.4 Submerged or non-submerged
- 1.5 Soft tissue management
- 1.6 Hard tissue management, mandible
- 1.7 Hard tissue management, maxilla
- 1.8 Need for grafting
- 1.9 Healed vs fresh extraction socket
- 1.10 Digital treatment planning protocols
- 2.3 Implant prosthetics - removable
-
2.4
Implant prosthetics - fixed
- 2.5 Comprehensive treatment concepts
-
3
Treatment Procedures
-
3.1
Surgical
-
3.2
Removable prosthetics
-
3.3
Fixed prosthetics
-
3.1
Surgical
- 4 Aftercare
凝固障害および抗凝固療法
Key points
- 凝固障害・血栓疾患または抗凝固剤は、インプラント治療に禁忌ではありません。
- 広く行われている方法は、インプラント手術中に予防的抗凝固療法を継続することです。
- クマリン型抗凝固剤と、インプラント治療において時に使用される他の薬物(一部の抗生剤および鎮痛剤)の薬物干渉を考慮します。
凝固障害
患者が血液凝固の障害をもつ原因は、遺伝性血友病、または心血管疾患の場合に予防的抗凝固療法による後天性凝固障害が考えられます。また、凝固性亢進と呼ばれる、凝固が増大した状態もあり、血栓症および塞栓症を避けるために抗凝固剤を摂取します。遺伝性の凝固状態が存在します。患者病歴全般の章も参照してください。
血栓性疾患における予防的抗凝固療法
患者の長寿化に伴い、抗凝固剤療法を必要とする循環器疾患/リスクの発生が増加しています。
抗凝固剤は、それ自体ではインプラント手術の禁忌ではありません。しかし、手術を進める前に、患者の凝固/出血状態を慎重に評価する必要があります。抗凝固療法の調整は、外科手術中・手術後の出血後にのみ考えられるため、患者の内科医との相談が必要になる可能性があります。
手術に先立ち、臨床医は、国際標準化比(INR)が<4であることを確保するために患者の内科医に連絡を取り、凝固検査を求めたいと考えるのではないでしょうか。国際標準化比は、通常1~1.3ですが、効果的な抗凝固療法では2~3になります。別の検査としては、外因系凝固経路を測定するプロトロンビン時間(PT:通常は11~13秒)、「内因系」凝固経路と一般的な凝固経路の両方を測定する部分トロンボプラスチン時間(PTT:通常は25~35秒、ヘパリン下で60~70秒)があります。
現在一般的な方法は、予防的抗凝固療法を継続することですが、理由は、抗凝固剤療法を減量または中止した場合の血栓塞栓イベントのリスクと比較し、治療中の大量出血リスクが低いと考えられるからです。
臨床医は、シーネ等を利用した圧迫止血、フィブリンシーラントを用いてのしっかりとした創傷閉鎖、術後のトラネキサム酸による含嗽等、局所止血手段を検討する必要があります。局所止血手段を講じた場合、プロスペクティブ症例対照研究によると、血腫の発生率が高いことは示されておらず、外科手術を通院ベースで行うことが可能です。
術後確認の来院時に組織の損傷が発生した場合、臨床医は、止血手段として圧迫止血、トロンビンの局所利用、術後のトラネキサム酸による含嗽を検討することが可能です。
さらに詳しい情報が必要な場合は、内科医/血液内科専門医の助言を求めてください。
最も一般的な抗凝固剤
- ビタミンK拮抗薬 (クマリン、Marcumar®)
- ヘパリンおよび誘導体
- チエノピリジン (Clopidogrel, Plavix®)
- アセチルサリチル酸 (ASA, Aspirin®) それ自体は抗凝固剤ではないが、低用量で抗血小板作用があるため使用されている
- NOAC (新規経口抗凝固薬)、第IIa因子、第Xa因子阻害薬
ヘパリンの代謝半減期はクマリンおよびアセチルサリチル酸よりも短いため、周術期出血の場合、より短時間でより柔軟な拮抗が可能となります。ヘパリンは、患者自身により皮下深部に投与されるか、または静脈内に投与されますが、通院治療が可能です。
クマリンは、他の薬物、特に一部の抗生剤、非ステロイド性抗炎症薬と相互作用します。ペニシリン/アモキシシリン、シプロフロキサシン、セファロスポリン型、大半の抗生剤は、腸内フローラを減少させることによってビタミンK合成を阻害し、クマリンの効果を増強します。イブプロフェン等の抗炎症薬もクマリンの効果を強化し、出血リスクを高めます。
また、イブプロフェンは、低用量アセチルサリチル酸(Aspirin® 81 mg/日等)の抗血小板作用を妨げ、アセチルサリチル酸を心臓保護および凝固予防の目的で使用した際の効果を弱める可能性があります。そのような場合、臨床医は、別の方法としてパラセタモール型鎮痛薬の使用を検討する必要があります。
NOACはビタミンK拮抗薬の代替薬ですが、アミオダロン型抗不整脈薬と相互作用があります。
遺伝性の凝固障害(血友病A/B/C)
血友病は、X染色体上の第VIII 因子(A)、第IX 因子(B)、または常染色体の第XI 因子(C)の欠乏症です。この患者グループは、外科手術によるインプラント治療の禁忌ではありません。欠乏している凝固因子の術前補充療法を実施する必要があります。血友病に精通した専門医を治療チームに含める必要があり、ここでも、手術前72時間以内のINR測定値が許容範囲にあることが望ましいでしょう。