リスク評価および特別なハイリスクカテゴリー概論

Key points

リスク評価は、個々の患者の治療において必須です。
全身的な健康、局所／口腔の状態、患者の要求、機能的・審美的結果、患者の行動、コンプライアンスにおけるリスクを検討します。
不確かな状況においては、内科医／ホームドクターの助言等、さらに専門的な助言を得ることを検討します。
総合的な患者情報および適切な証拠書類による裏付けを確保します。

治療リスクの評価

徹底的なリスク評価は、患者治療の成功において根幹を成します。

以下の4つの重要情報源により、臨床医は関連リスクを特定し、各リスクの重大さを判断することができます。

特定の全身疾患等、患者の全身的な健康：年齢、糖尿病、循環器疾患その他（関連の薬物治療を含む）
歯周炎、異常機能等、患者の口腔衛生および局所の状態
患者との問診
喫煙、心理学的／精神医学的プロファイル、薬物乱用等、患者の行動状態

患者との問診および評価によって、機能的・審美的結果および患者の期待、骨の状態および寸法、解剖学的制限が明らかになります（解剖学的部位の章も参照してください）。

治療リスクvs.禁忌

病気によっては重症度が異なる場合があるため、はっきりとした症状や明確な臨床像を常に示すとは限りません。そうした異なる重症度を考慮すると、結果的に生じる治療リスクには高低のばらつきが生じ、禁忌をもたらすことさえあります。状況に応じ、内科医／ホームドクター等、他の医療専門家に相談することを検討してください。既存のリスクおよび治療結果に関する綿密かつ総合的な患者情報、および適切な証拠書類による裏付けが極めて重要です。多数の重要なリスク領域について、これら治療ガイドラインの患者評価のセクション内の他の資料において紹介・説明されています。

臨床トピック

Local factors Systemic factors Patient assessment

Treatment guides

Edentulous

患者の全身的既往歴

最初の評価－患者との面談

臨床医は、自分の目の高さを患者のそれと合わせるようにすると効果的です。例えば、患者が座っているのであれば、臨床医も座るべきです。信頼関係を深めることにならないので、臨床医と患者の面談は、歯科用治療椅子で行わない方が良いでしょう。このようにすると、患者の人格、期待、健康状態に関する重要側面をより共有しやすくなります。患者の主訴が後に患者の治療への期待と合致する、という点を確認することが不可欠です。患者との面談に関するすべての手順において、患者のプライバシー保護が必要です。