-
0
Patient Assessment
- 0.1 Patient Demand
- 0.2 Anatomical location
-
0.3
Patient History
- 2.1 General patient history
- 2.2 Local history
-
0.4
Risk Assessment
- 3.1 Risk Assessment Overview
- 3.2 Age
- 3.3 Patient Compliance
- 3.4 Smoking
- 3.5 Drug Abuse
- 3.6 Recreational Drug and Alcohol Abuse
- 3.7 Condition of Natural Teeth
- 3.8 Parafunctions
- 3.9 Diabetes
- 3.10 Anticoagulants
- 3.11 Osteoporosis
- 3.12 Bisphosphonates
- 3.13 MRONJ
- 3.14 Steroids
- 3.15 Radiotherapy
- 3.16 Risk factors
-
1
Diagnostics
-
2
Treatment Options
-
2.1
Treatment planning
- 0.1 Non-implant based treatment options
- 0.2 Treatment planning conventional, model based, non-guided, semi-guided
- 0.3 Digital treatment planning
- 0.4 NobelClinician and digital workflow
- 0.5 Implant position considerations overview
- 0.6 Soft tissue condition and morphology
- 0.7 Site development, soft tissue management
- 0.8 Hard tissue and bone quality
- 0.9 Site development, hard tissue management
- 0.10 Time to function
- 0.11 Submerged vs non-submerged
- 0.12 Healed or fresh extraction socket
- 0.13 Screw-retained vs. cement-retained
- 0.14 Angulated Screw Channel system (ASC)
- 2.2 Treatment options esthetic zone
- 2.3 Treatment options posterior zone
- 2.4 Comprehensive treatment concepts
-
2.1
Treatment planning
-
3
Treatment Procedures
-
3.1
Treatment procedures general considerations
- 0.1 Anesthesia
- 0.2 peri-operative care
- 0.3 Flap- or flapless
- 0.4 Non-guided protocol
- 0.5 Semi-guided protocol
- 0.6 Guided protocol overview
- 0.7 Guided protocol NobelGuide
- 0.8 Parallel implant placement considerations
- 0.9 Tapered implant placement considerations
- 0.10 3D implant position
- 0.11 Implant insertion torque
- 0.12 Intra-operative complications
- 0.13 Impression procedures, digital impressions, intraoral scanning
- 3.2 Treatment procedures esthetic zone surgical
- 3.3 Treatment procedures esthetic zone prosthetic
- 3.4 Treatment procedures posterior zone surgical
- 3.5 Treatment procedures posterior zone prosthetic
-
3.1
Treatment procedures general considerations
-
4
Aftercare
抗凝固薬
Key points
- 凝固障害、血栓性障害および抗凝固薬のいずれも、インプラント治療の禁忌ではありません
- 現在は、インプラント手術中も予防的抗凝固療法を継続するのが一般的です。
- クマリン系抗凝固薬とインプラント治療に使用される他の医薬品(一部の抗生物質および鎮痛薬)との相互作用の可能性を検討します。
凝固障害
遺伝性血友病のある患者や、心血管疾患に対する予防的抗凝固療法により後天性凝固障害を発症した患者では、血液凝固能が低下している可能性があります。また、凝固能が増大する凝固亢進と呼ばれる状態もあり、血栓症や塞栓症の発現を防ぐため、抗凝固薬の服用を必要とします。遺伝性の凝固亢進状態も存在します。詳しくは、General patient historyを参照してください。
血栓性障害における予防的抗凝固療法
患者の長寿化に伴い、抗凝固療法を必要とする心血管疾患/リスクの発生率も増加しています。
抗凝固薬自体はインプラント手術の 禁忌ではありません。しかし、手術を行う場合は、患者の凝固/出血状態を注意深く評価しながら手術を進める必要があります。抗凝固療法の調整を行えるのは、術中または術後の出血時に限定されるため、患者の担当内科医に相談する必要があります。
手術を行う前に、患者の担当内科医に相談のうえ凝固検査を依頼し、国際標準比(INR)が<4であることを確認する方法もあります。INRは通常は1~1.3ですが、効果的な抗凝固療法が行われている場合は2~3になります。代替検査としては、外因系凝固経路を測定するプロトロンビン時間(PT:正常値11~13秒)、内因系凝固経路と共通系凝固経路の両方を測定する部分トロンボプラスチン時間(PTT:正常値25~35秒、ヘパリン療法下で60~70秒)があります。
抗凝固薬を減量または中止した場合の血栓塞栓イベントのリスクと比較して、治療中の大量出血のリスクは低いと考えられるため、現在は予防的抗凝固療法を継続するのが一般的です。
包帯による創部圧迫、フィブリンシーラントによる気密性の高い創閉鎖、術後のトラネキサム酸による洗口等、局所的な止血方法を検討します。前向き症例対照研究の報告は、局所的止血を行った場合も血腫の発生率は増大せず、外来手術も可能であることを示しています。
以後のリコールで組織に外傷を生じた場合は、止血手段として創部圧迫、トロンビンの局所投与、または治療後のトラネキサム酸による洗口を選択することができます。
さらに詳しい情報が必要な場合は、内科医/血液病専門医に相談してください。
一般的な抗凝固薬
- ビタミンK拮抗薬(クマリン、マルクマル®)。
- ヘパリンおよび誘導体。
- チエノピリジン系薬剤(クロピドグレル、プラビックス®)。
- アセチルサリチル酸(ASA、アスピリン®)。本来は抗凝固薬ではありませんが、低用量で抗血小板効果があるため使用されています。
- NOAC(新規経口抗凝固薬)、第IIa因子および第Xa因子阻害薬。
ヘパリンの代謝半減期はクマリンやアセチルサリチル酸に比べて短いため、周術期出血が生じた場合は、より短時間で柔軟な拮抗効果を得ることができます。ヘパリン投与は深部皮下への自己注射または静注により行われますが、外来治療が可能です。
クマリンは、とりわけ一部の抗生物質や非ステロイド性抗炎症薬のような薬物と相互作用します。ペニシリン/アモキシリン、シプロフロキサシン、セファロスポリン系薬剤をはじめ、大半の抗生物質は腸内フローラを減少させるため、ビタミンK合成を阻害し、クマリンの作用を増強します。イブプロフェンのような抗炎症薬もクマリンの作用を増強し、出血のリスクを高めます。
また、イブプロフェンは低用量アセチルサリチル酸(アスピリン® 81mg/日等)の抗血小板作用を阻害するため、アセチルサリチル酸を心臓保護および凝固予防の目的で使用している場合は、その効果を減弱させる可能性があります。このような場合は、代替薬としてパラセタモール系鎮痛薬の使用を検討します。
NOACはビタミンK拮抗薬の代替薬ですが、アミオダロンのような抗不整脈薬と相互作用する可能性があります。
遺伝性の凝固障害(血友病A/B/C)
血友病は、X染色体上の第VIII因子(A)または第IX因子(B)、あるいは常染色体上の第XI因子(C)の欠乏症です。血友病はインプラント手術の禁忌ではありませんが、術前に欠乏している凝固因子の補充療法を行う必要があります。血友病に精通した専門医を医療チームに加え、術前72時間以内のINR値が許容範囲内にあれば望ましいでしょう。